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2016年3月30日水曜日

豚とペンギン~アート書ワークショップ~

本日、セーヌ・エ・マルヌ県内の高校で、アート書ワークショップを行いました!


といっても、私は通訳(仮)です。笑


いつもアトリエでお世話になっている先生と、兵庫県パリ事務所、
そして、先日展示会を行った書道家の西濱渓泉さんのコラボイベントです。


今回は、好きな文字を、顔彩を使って色紙に書き、挿絵を描きました。



専門用語を訳せるだろうか・・・

と不安でいっぱいでしたが、みなさまに助けられ、何とかお仕事遂行完了!


今日は写真多めでいきます!



まずは、それぞれ好きな文字を決めます。

夢、月、友達、空、食、烏、火などなど色々でました。

中には、好きだから!という理由で、「豚とペンギン」を選んだ生徒も。

まさかのチョイスにちょっとびっくり。笑



そのあと、西濱さんが直々にお手本を書いてくださいました。

「書道」ではなく、アート作品として、自由に描いていきます。



「幸」がハートマークになっていてかわいい♥



その後、半紙に書いて練習!

西濱さんのアドバイスを受けながら、みんな楽しそうに書いていました。


練習だというのに、生徒たちはかなりハイクオリティ。


めっちゃ上手や・・・!!!


と同行した日本人はびっくり仰天。













練習のあとは、いよいよ色紙に書いていきます!


 一発本番、ということで、緊張していましたが、
みんな丁寧に素敵な文字を書いていました。










色紙を乾かしている間、早く終わった生徒は、半紙にお絵描き。笑






アルファベットを書くのは難しいと思うのですが、とってもかわいく書き上げていて、思わず写真を撮ってしまいました。




そして、いよいよ挿絵にとりかかります・・・!!!


今回は3つのテクニック、


  • 胡椒点(こしょうてん)


  • ドロップ型


  • 没骨法(もっこつほう)


を使用します。


胡椒点は、筆にたっぷりと顔彩をつけ、ポタポタと垂らす方法。



ドロップ型は、筆先をピンとそろえて、筆先からそっと紙におろして模様を描きます。
かわいい花びらはドロップ型で描くことが可能。


そして没骨法というのは、円を描く際に輪郭線を用いずに円を描く方法です。



顔彩のカラフルで優しい色を使いながら、生徒たちは自分の作品に添えるイラストを考えていきました。








そして、いよいよ作品に挿絵を・・・!!!






できあがり(一部)はこんなかんじです!







文字にあわせて色を選び、デザインを選び、挿絵もいれて、完成です!


「食」を選んだ生徒は小さなお寿司(マグロだそうです。)を描いていたし、
それぞれがオリジナリティあふれる、世界で一つだけの素敵な作品を製作することができました!



生徒たちのワークショップを見ていると、なんだか私も描いてみたくなったな~


西濱さんは伊丹(兵庫県)でワークショップもされているそうなので、
帰国したら行ってみようとおもいます★


興味のある人はぜひ!:)

2016年3月28日月曜日

パック~アルザス・グルメ紀行~

この週末はイースター休暇ということで、アルザスの家族のもとへ行ってきました。


フランス語では、イースターのことを、Pâques(パック)と言います。


ちなみに、イースターとクリスマス、
アルザスだけはほかの地域より、祝日が一日多いのです!


日本ではまだまだ馴染みのないイースターですが、
こちらではハロウィンよりも浸透している祝日。


ざっくりいうとキリストの復活祭です。


地域や家庭によって様々ですが、
アルザスではクリスマスに次いで、なかなか盛大に祝います。


イースターの日曜日には家族が集まって、
子羊の肉(ジゴ)、卵料理、クレソンなどをいただきます。


今年のテーブルセッティングはこんな感じ。クリスマスは赤、イースターは白です!

こんなデコレーションも。

チョコレートのうさぎ。

1人1人名前の書かれた卵のケースに、イースターのお菓子が入っています。

パパは肉担当。

アントレのゆでたまご(ミモザ)とクレソン。
クレソンでとりの巣を表現しています。

食事とデザートの間にはチーズ!これでも少ないほう!
赤ワインと一緒に。



コルマールの街中も、イースター仕様になっていました。









この日は天気も良く、近隣諸国(というかおもにドイツ)からの観光客がたっくさん。


コルマールは小さな町なので、友人と歩きながら、春の訪れを感じる1日となりました。


公園では、子ども向けに卵探し大会も開催されていて、賞品のチョコレートと交換してもらうべく、
子どもたちは必至で隠されている卵を探していました。






そして、毎回アルザスに帰ると行われる、大お菓子作り。



フランス人とイベントごとのお菓子は切り離せない関係。

名前入りの大きなチョコエッグをもらいました!

チョコレートのほかに、アルザスのイースターで欠かせないのが、

Lammele(ラマラ)と呼ばれる焼き菓子。
イースターの時期にしか作らない、レアキャラです。


ざっくりいうと、羊の形をしたケーキ。

アニョーパスカル(復活祭の子羊)なんて呼ばれ方もします。


~ラ というのは、アルザスの方言で、小さな、に当たるらしい。

例えば、花子ラというと、小さな花子ちゃん。



アルザスの各家庭には、代々伝わる陶器の型があって、それを使って作ります。


アルザス北部には、Soufflenheim(スフレンハイム)という陶器作りで有名な町があり、
そこから来たものがほとんどだそう。



近代的なアルミ製のものもありますが、それだと羊の表情が綺麗にでないんだとか。


このイースター休暇中に、親戚ご近所、あらゆるところへ配るため、
15個以上は作りました、ラマラ。笑


ここからしばしラマラ写真祭をご堪能ください。笑


きれいにできたラマラ。羊の表情も出ています。

仕事でも見せないような、必死な顔で作っています。笑

上手く焼けたラマラと、スフィンクスみたいになったラマラ。


ラマラと、近所のパン屋さんで買ったイースターのウサギパン。



今回のアルザス滞在で、新しい出会いがありました。



「Fleischsnackas(フライシュナッカ)」という、アルザスの伝統料理です!


親戚のお宅で、手作りのものをいただいたのですが、
めっっっっっっちゃ美味しい・・・!!!


写真を撮るのをわすれるくらい、ものすごくおいしかったです。


フライシュナッカは、アルザス語で、肉のカタツムリ、という意味だそう。


名前の通り、カタツムリのような形に肉が巻かれています。


写真はネットから。



そのままでも味がついているのですが、トマトソースをかけて食べるパターンもあるらしい。



あまりにも衝撃的で、アルザスから買って帰ってきました。(もう食べちゃったけど。笑)



お肉屋さんで、半生のフライシュナッカを買い、
ビーフブイヨンで煮込んだあと、両面を焼くと、美味しいフライシュナッカができます。


アルザスで食べさせてもらったものと比べると、出来はよくなかったですが、
それでも十分おいしかったです!!



アルザスの料理、というと、

「肉ばっかりで重い。」

というのが大半のフランス人の印象。


正解です!笑


でもおいしいので、冬にはぴったり。


シュークルート(ザワークラフト)も、とっても美味しいし、

食べなれているからか、私はアルザスの料理が大好きです。

もちろんアルザスのワインも大好き。笑


次にアルザスに帰るのは夏のバカンスかなー。
ワイン祭には強制参加らしいので、いまから肝臓トレーニングせねば!笑



食べて笑って、楽しいよい休暇でした。


アルザスから持ち帰った豪華ご飯で夕食。パパがくれたワインとともに。

2016年3月25日金曜日

墨文字デザイン展示会

3月23日(水)から25日(金)まで、兵庫県パリ事務所で、
墨文字デザインの展示会が開催されました!


23日にはヴェルニサージュ(展覧会の初日のパーティ)が行われ、
平日にもかかわらず、たくさんのお客様が足を運んでくださいました。



私も微力ながらSNSなどで告知をしていたので、友人たちに墨文字の魅力を伝えるとともに、
兵庫県についてぞんぶんにアピールすることができました。


兵庫県への誘致活動絶賛継続中。笑




展示会は、
書家の西濱渓泉さんの人柄か、柔らかく女性的な作品が多く、とても素敵でした。


西濱渓泉さんと作品
伝統的な「書道」だけでなく、ポストカード、Tシャツ、おしぼり置きまで、様々なスタイルがあり、
まさに「生活に溶け込む墨文字」。


アート書は、墨にラメを含ませたり、顔彩と呼ばれる絵の具のようなもので挿絵をいれたり、
親しみやすい作品が多かったのも印象的。


顔彩も展示してありましたが、日本特有の色が並んだパレットは、とても美しかったです。
名前も、鮮光黄、浅葱、紅梅、群青、花白緑、白群・・・となかなか粋。



ちなみにこの顔彩、顔料に膠・アラビアゴム・水あめ・砂糖などの固着剤を練り合わせてあるので、乾くと水に触れても流れません。

日本書画には完成作品を軸装等、表装時に裏打ち(作品を水に触れさせる工程)があるので、水彩絵の具では軸装ができないんだとか。


勉強になります!



招待した友人たちも今回の展示会を気に入ってくれた様子で、フェイスブックの壁紙(っていうんですかね?笑)に作品を設定してくれているフランス人もいて、大変うれしく思います。

ヴェルニサージュの様子1
ヴェルニサージュの様子2


作品ももちろんですが、作品を貼っている着物ボードという着物の生地を使ったボードがとてもかわいかったです。


家に置いたり、お店の展示に使ったらウケそうやなあ、と思いながら見ていました。笑




「桜花爛漫」「花鳥風月」
まっすぐに貼っていないのがポイント。(フランス人職員談。)

来週には西濱さんとセーヌ・エ・マルヌ県でのコラボレーション企画もあるので、その様子はまたお知らせします!



さらにひょうご交流センターでは、今後もたくさんの催し物を企画しています。



○日本文化講座「ジャポニスムとアールヌーボー」

セーヌ・エ・マルヌ県在住のジャポニスム研究科・蒐集家Antoinette MARTIN氏による文化講演会。(日本語)

4月7日(木)  第1回 ジャポニスムとは

4月14日(木) 第2回 パリで見られるジャポニスム

5月12日(木) 第3回 パリのアールヌーボー

5月19日(木) 第4回 日本が影響を受けたアールヌーボー


○「Azu&Hiro」展 4月26日(火)~4月29日(金)

兵庫県出身の2人のアーティスト、人気えほん作家として活躍する村上浩子氏と、日本の日々の暮らしの中にとけこんだ「いけばな」を教える嵯峨御流(さがごりゅう)華道家・井上東氏の作品コラボレーション。

http://studioroko.com/





○「森合那緒(MORIGO Nao)」絵画展 5月30日(月)~6月3日(金)

神戸在住の画家・デザイナーとして幅広く活躍する森合那緒氏の優しく繊細な感性溢れる温かな作品を紹介。


http://addfuns.com/


みなさま、ぜひともご来場ください~ :)


2016年3月20日日曜日

日本の祝日

ばたばたとしているうちに、気が付けば3月も後半・・・!!!

なんでこんな時間が過ぎるのは早いのでしょうか。


暦の上では立春ですが、こちらはまだまだ寒く、ダウンコートが手放せません。


日は長くなっているので、気持ち的にはそろそろ春かな、という感じですが。



さて、先日セーヌ・エ・マルヌ県内の小学校へ講演をしに行ってきました。


小学校1年生、CPの子供たちは相変わらず元気いっぱい。

こちらは9月から新学期なので、1年生の折り返し地点です。



今回は、「日本の行事と祝日について」というプレゼンをしました。


3月ということで、先生がひな祭りの塗り絵を用意してくださり、プレゼンのあとはみんなで色塗り。


昨年あたりから、フランスでは大人の塗り絵というのが流行しています。


本屋さんにもなんとも美しいイラストの大人の塗り絵コーナーがあったり、
感心は高いようです。

暇つぶしにもなるしね。笑




講演に話を戻します。

お正月からはじまり、成人式、節分、ひな祭り、子どもの日・・・

と説明をしていくと、


まず、成人式でCPキッズの第1食いつきポイントが。

「日本では20歳が成人です。フランスは何歳から大人でしょう?」


とクイズ形式にしてみると、


「10歳!」

「35歳!」

「47歳!」

「60歳!!」


と実に色々な答えが・・・



答えは、18歳です。笑


ただし、日本のように成人式!!というものがないので、
家族や友人を招いて誕生日にパーティーをするのが一般的。



成人式の写真を見せ、振袖の説明をしていると、


「なんでみんな同じ肌の色で、同じ髪の色なの??」


という質問が。



これには先生も私もびっくり。


確かにフランスは移民も多く、肌の色や髪の色は様々。


金髪もいるし、赤毛もいるし、巻き毛もストレートもいる。


クラス1つとっても、同じ髪の色を見つける方が難しいくらいです。


その環境が当たり前の子供にとって、日本人(アジア人)の集合写真は違和感があった様子。



そういう見方もあるんだな、とびっくりしました。




その後話を進めて、CPキッズ食いつき第2ポイント。


節分の鬼。



豆まき、というのも衝撃的だったようですが、
それよりも鬼の姿に子どもたちはびっくりしていました。



赤いモンスター!!!!


と言っていましたが、確かにこちらの悪者は黒いものが多い。


「鬼は赤だったり青だったりするけど、みんな牛の角がついていて、虎のパンツをはいている」

と説明すると、

「上は着てないの?コートは???」

「寒そう!!」

と、鬼の心配をする心優しいCPキッズたち・・・笑


日本の鬼はあんまり怖くないようです。笑





そして第3食いつきポイント、七夕。



織姫と彦星の話をさらっとすると、

「1年に1回しか会えないのに恋人なの?」

とアムール国民らしい意見が。


そうです。
1年に1回、しかも雨が降ったら会えないけれど、2人は恋人なのです。笑

そして、子ども心をつかむため、
日本のディズニーランドでも七夕のイベントがあるんだよ!


とミッキーとミニーが七夕の衣装を着ている写真を見せると、
子どもたち、予想通り大興奮。


世界的人気者、さすがです。笑



さらに、子どもたちは七夕の笹に興味津々。


「高いところにはどうやって短冊を結ぶの??」

「笹が小さい時に結んで育てるの??」

「毎年、短冊を結んでいたら、結ぶところがなくならない??」


どうやら子どもたち、5メートルくらいある生えている笹に結ぶと思ったらしい。



見せた写真が、子どもと笹だったので、ものすごく大きく見えたようですが、

笹は毎年違うもので、そんなに大きくなく、
終わったら川に流したり神社で燃やすんだよ、と補足しておきました。



中には、

「アニメで笹に短冊を結んでるの見たことある!!」

と言っている子もいて、何のアニメかはわかりませんでしたが、
日本の行事は思わぬかたちで若い世代に伝わっているようです。







まだまだいきます、食いつきポイントその4!



勤労感謝の日!



これは意外でした。笑



フランスの勤労感謝の日にあたるものは5月。


スズランを贈るのが習わしです。


日本は秋だし、特に何にも贈らない、というのがびっくりしたようです。




そして最後に第5食いつきポイント。

天皇誕生日。


そもそも、皇室がない国なので、天皇誕生日という祝日があることに驚いていました。


そして、写真を見せたところ、年齢にたいそう驚いていて、

「50歳くらいかと思った!」

とのこと。


日本人は若く見える、というのは本当みたいです。


フランスでも子どもは正直、と言われているので、素直な感想なのでしょう。





そして、プレゼンのあとは、子どもたちの大好きな塗り絵!


先生が用意してくださった、ひな祭り塗り絵。

日本・・・???という印象はありますが(笑)、
ひな人形の写真を見せながら、こんな感じで塗りましょう!とスタートしたのが、こちら。







・・・自由!!!笑




ピンクの髪をしたパンクな人形、オリジナルの化粧を施した人形、バービーのような金髪人形、


さすが自由の国フランスです。笑







みんな真剣に、オリジナルの塗り絵を楽しんでいました。:)





さらに、1月に作ったおせち料理工作がついに完成し、廊下に展示してありました!!!









力作です!!!


箱への詰め方や、色がなんとも言えません!



もうひとつのクラスはさらに工作に手を加えて、
ストローでお箸、それから卵のパックを使って小鉢も作りました。




お箸がアーティスティックに置かれています。笑




子どもと関わる仕事は、毎回新しい発見がたくさんあって、とっても面白い。


特に今年は小学校1年生ということで、未知との遭遇気分。笑



難しいことや凝ったことはできませんが、日本という国に興味をもって、

毎回のアトリエを楽しみにしてくれているので、

私自身も毎回授業の準備をするのが楽しいです。


任期中のアトリエは残り数回となりましたが、最後まで楽しんでお仕事したいと思います!