このブログを検索

2016年8月29日月曜日

ブルキニ論争

この夏、フランスでよく取り上げられた話題。

「ブルキニ」

イスラム教の女性が着る水着のことで、ブルカ+ビキニ=ブルキニです。

これ↓




















アラサーはみんな大好き:SATCの映画でご存知の方も多いのでは?

このブルキニ、フランスではアマゾンで買えちゃうくらいメジャーなもの。
(画像もアマゾンから。)


これがフランスで大論争を巻き起こしているのですが、
日焼けが嫌いな日本人からしてみると、
「何が問題なの?」
という感じかと思います。

ビーチにブルキニの人がいても、別に違和感を感じないし、
なんなら日本には顔を覆うサンバイザーやらアームカバーをした人がごろごろいるので、むしろ夏の日常。


ところが、所変われば感覚も違う。


フランスでは、この肌を隠す行為、というのが違和感ありあり。


例えば、マスク。

日本人はインフルエンザ予防だったり、花粉症だったり、すっぴん隠しだったり、と抵抗なくマスクをつけて生活します。

しかし、マスク姿は欧米ではものすごく不気味で奇妙だそう。

「なにかの感染者なの・・・!?」
「パンデミック・・・!?」

こんな感じの反応です。


それと同様に、日本ではおなじみのアームカバー。



















日焼け大好きフランス人にとっては理解不能。

さらに、フランスでアームカバーを着用するということは、自分が日本人である、とアピールしているようなものなので、悲しいことにスリの標的になりやすいそうです。
渡仏の際には、気をつけてくださいね!


話を戻して。


ブルキニ論争。

なぜ、ブルキニが問題なのか。

前提として、フランスはライシテ(laïcité)の国です。

ライシテとは、世俗主義、政教分離、非宗教性など訳されていますが、日本語でしっくりくる言葉は見つかりません。


公共の場に宗教を持ち込んではいけない、ということです。


だから、アクセサリーでもロザリオや、十字架、数珠はアウト。


このライシテに関しては色々な意見があるし、政教分離だライシテだ、といわれても、外国人の私からしてみると、フランスの生活には、祝日などをはじめキリスト教がよく関わっているな、と言う印象。

宗教を全部持ち込まないことで平等を体現しているのでしょうが、個性の尊重も大事なんちゃう?と思ったり、個性の尊重って、言い始めたらキリがないよな、と思ったり。

で、このライシテの考え方に沿っていくと、ブルキニは宗教アイテムであり、公共の場にはふさわしくない!!と言うのが今回の論争。
(ちなみに、フランス国内では、顔まで全て覆ったブルカは禁止。)


今年の夏、南仏のビーチで、ブルキニ禁止令が出されました。

警察官が女性のブルキニを強制的に脱がせるなど、なかなかセンセーショナル。

なぜ禁止になったか。

  1. ライシテ国家だから
  2. 挑発的
  3. ビーチの景観にふさわしくない
とのとこ。

ブルキニが挑発的????

景観にふさわしくない???

完全にいちゃもんやろ、といいたい。笑



潜水服やサーフスーツは大丈夫なのに、なんでブルキニだけ駄目なの?

子ども用の日焼け防止の水着はいいの?

フランス人だって昔は似たようなのきてたじゃん!

と、フランス人たちのブルキニ論争に参加し、意見してみましたが、

「潜水服とブルキニは目的が違うから。」

と言われさらに唖然。

挑発的、というなら、トップレスで堂々と浜辺を歩くフランス人や、胸元丸出しな服装をしているフランス人のほうが、私にとっては挑発的だけどな・・・笑


その後、このブルキニ論争は最高裁にあたる国務院での審議へ。

「信教と個人の自由という基本的自由を、明確かつ違法に侵害する」としてブルキニ禁止措置の凍結、という判断を下しました。


そりゃそうだろ、と私は思ったのですが、みなさんはどうお考えでしょうか?

0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。